白髪を抜くとかゆくなる?白髪の「ホントとウソ」医師が解説

白髪を抜くとかゆくなる?白髪の「ホントとウソ」医師が解説

数本だけ白髪が生えていると、目立つので抜きたくなるかもしれません。ですが、白髪は抜いても問題ないのでしょうか。「白髪は抜くと増えてしまう」という人もいますが、実際にはどのような影響があるのかご存知ですか?

根拠のない噂に左右されず、きちんとした方法で白髪を手入れすることが大切です。白髪を抜くことで起きる影響や対処法について、国際毛髪皮膚科学研究所の井上哲夫先生に教えていただきました。

専門家が解説!白髪にまつわる噂

専門家が解説!白髪にまつわる噂

白髪については様々な噂がされています。聞いた印象ではどれも真実のように聞こえますが、実際はどうなのでしょうか。もしかしたら、今まで信じて行ってきたルーティンが実はあまり意味がないものだったなんてこともあるかもしれません。

 「白髪を抜くとかゆくなる?」

井上先生「白髪を抜くダメージで炎症が発生すると、かゆみが起きる事があります。この炎症がかゆみと共に抜け毛につながる可能性があります。基本的に抜く事は良い方法ではありません

もともと敏感肌の方は特に注意です。炎症が酷い場合は、頭皮の毛細血管から出血を起こす可能性もあるため、頭皮の健康のためにも抜かないようにしたいですね。

「抜くとハゲる(生えなくなる)」

井上先生「1〜2回抜く事で、ハゲるということはありません。ただ、回数を多く抜いていると毛球のダメージが多くなり生えて来なくなる事があります。基本は抜かない事です。白髪の人はハゲないという話もありますが、これも関係はないでしょう。根拠もありません」

抜いているうちにダメージを受けて毛が細くなっていくようです。自分の白髪の状態はいかがですか? 抜く頻度が多い方は、今からでも抜かないようにした方が良さそうですね。

気になるのはわかりますが抜きたくなる気持ちを、ぐっと抑えるようにしてみてください。

「抜くと増える」

井上先生「白髪を抜くと増えることはありません。増えたように見えるのです。理由は活動期の髪は毛球が皮下3mm程の場所にあるのですが、無理に抜く事は毛根を傷つける形となり、その傷ついた形は変形し、同じ毛穴から再度生えてくるのでくせ毛になる可能性があります。また、直毛より白髪の方が目立つ傾向にあります」

一生懸命にヘアケアをしていても、毛根がダメージを受けていては効果が表れにくくなってしまいます。特にうねり白髪になってしまうと、直毛の白髪に戻すのは難しいです。髪質を変化させないように意識しましょう。

「若白髪の人ははげない?」

井上先生「この噂には根拠がないと考えますが、白髪になる原因と薄毛になる原因には関係があり、その1つに血行不良があります

若白髪の原因のひとつに、悪性貧血による血行不良が考えられます。その場合は、対策として医療措置による根本的な治療が必要かもしれません。

 「白髪は伸びるのが早い?」

井上先生「白髪の伸びる早さは、黒髪とほとんど変わりません。

髪の毛は本来白く、色素を含んでいないのですが、遺伝や紫外線の多い地域ではメラニン色素が含まれて黒くなります。メラニン色素は、髪にとって不純物のようなもの。メラニン色素のない白髪の方が、黒髪よりも強度が高く張りがあり目立つため、成長を早く感じるのかもしれませんね」

白髪を抜くことの影響

白髪を抜くことの影響

手入れが面倒だからといって抜いてしまう人もいるかもしれません。ですが、抜くことで白髪にはどんな影響があるのでしょうか。今生えている毛だけでは無く、次に生えてくる毛のことも視野に入れて考えることが大切です。

抜くことで発生するダメージ

井上先生「毛穴に傷をつける事がダメージになり、次に生えてくる白髪がくせ毛になる傾向にありさらに目立つようになるでしょう」

毛穴にダメージを与えると、元がストレートな髪質でも、うねり白髪が発生する原因になり、黒髪の中でも目立つ存在になってしまいます。加齢によって毛穴が歪んでしまうこともあるのですが、追い打ちのように毛穴に負担をかけないよう気をつけましょう。

白髪を抜くのは、今生えているその毛だけの問題ではありません。同じ毛穴から、また新しい毛が生えてくるからです。ですから、毛穴を健康的な状態に保つことは、髪質を継続的にケアするうえで必要不可欠と言えるでしょう。

いずれにせよ、髪や頭皮、毛穴へ与えるダメージを考えても「白髪を抜くこと」は得策とは言えないのではないでしょうか。

 白髪を見つけたときの正しい対処法

白髪を見つけたときの正しい対処法

抜かないようにした方が良いことはわかりましたが、そのまま放置していても良い方向に進むとは考えづらいでしょう。誰でも、鏡を見たときに憂鬱な気分になるのは嫌ですよね。見つけたときにはどのように対処したら良いのでしょうか。

 カットする

井上先生によると、抜かずに切ることがおすすめだそう。白髪用に、眉などにも使える小さなハサミを用意しておくと便利でしょう。必要であれば白髪や枝毛専用のハサミも販売されています。周りの黒髪を切らないように、鏡で確認しつつ抑えながら切ってみてください。

ヘアカラーを楽しむ

井上先生「 最近の傾向として、グレーヘアスタイルの広がりがあるように思われます。多様性を楽しむこともいかがでしょうか」

最近では、ありのままの髪色を楽しむグレーヘアスタイルや、あえて白髪に近い色で全体を染めて周りと馴染ませるヘアスタイルも注目を集めています。白髪染めというと真っ黒にするイメージが強いかもしれませんが、生え方に合わせてグラデーションを入れたり、トーンアップさせたりする手法を選ぶ人が増えています。

白髪が生えてきても過度に落ち込まずに、新しいスタイルを取り入れながらオシャレを楽しんでみてください。白髪染めから自分らしさを表現することもできますよ。

白髪を増やさないための予防法

白髪を生やさないための予防法

これから白髪を増やさないようにするために何ができるでしょうか。シャンプーのときの注意点もお聞きしました。すぐに実践できて、家でも簡単に行える方法ばかりなので生活のなかで取り入れてみてくださいね。

頭皮マッサージ

井上先生「白髪を増やさないためにできる対策は頭皮の血行改善です。次に頭皮の皮脂汚れを丁寧に取り去り、炎症やかゆみを発生させないことです。頭皮を頭頂部に集めるようなマッサージを毎日3分程度行っていただき、シャンプー時は頭皮や髪をゴシゴシこすらず、揉みだすように洗うことをおすすめします

頭皮の血行が悪くなると髪に栄養や水分が行き渡らなくなり、メラニン色素が不足して白髪になってしまう可能性も。シャンプーのときに、指で刺激を与えすぎると炎症が起きてしまうので気をつけてください。

頭頂部に集めるように動かすことでリフトアップされ、頭と顔は同じ皮が繋がっているので小顔効果にも繋がるでしょう。

かゆみを発生させる原因として、頭皮の乾燥が原因になることがあります。最近では頭皮用の化粧水なども販売されているので、保湿の際に使用してみてはいかがでしょうか。

また、刺激の強い成分のシャンプーは頭皮にストレスを与えます。付けすぎや洗い残しにも注意しましょう。忙しい毎日のなかでは、バスタイムにそこまで時間がとれない人も多いかもしれません。しかし、毛穴に詰まったシャンプーから雑菌が繁殖する恐れがあります。きちんと時間をとって頭皮の手入れをしましょう。

リラックスしながら、毎日のルーティンのなかで頭皮のことを意識してみてください。白髪があっても、自分らしく素敵に過ごしていけますように。

監修

井上 哲夫先生

一般社団法人国際毛髪皮膚科学研究所所長。東京理科大卒。総合化粧品メーカーでヘアケア・スキンケア商品の研究開発部長を経て国際毛髪科学研究所を設立。東洋医学を美と健康に応用する「脱毛ケア」「頭皮ケア」の権威として、全国各地のがん診療拠点病院および理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績を持つ。

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