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白髪を抜くのはだめ!その理由と正しい対処法を解説!

白髪を抜くのはだめ!その理由と正しい対処法を解説!

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数本だけ白髪が生えていると、目立つので抜きたくなるかもしれません。
ですが、白髪は抜いても問題ないのでしょうか。「白髪は抜くと増えてしまう」という人もいますが、実際にはどのような影響があるのかご存知ですか?

根拠のない噂に左右されず、きちんとした方法で白髪を手入れすることが大切です。なぜ白髪を抜いてはいけないのか、白髪を抜くことで起きる影響や対処法について、国際毛髪皮膚科学研究所の井上哲夫先生に教えていただきました。

監修

井上 哲夫先生

一般社団法人国際毛髪皮膚科学研究所所長。東京理科大卒。総合化粧品メーカーでヘアケア・スキンケア商品の研究開発部長を経て国際毛髪科学研究所を設立。東洋医学を美と健康に応用する「脱毛ケア」「頭皮ケア」の権威として、全国各地のがん診療拠点病院および理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績を持つ。

目次

白髪を抜くと増えるって本当?

早速、井上先生に白髪を抜くと増えるのか聞いてみました。

井上先生

白髪を抜くと増えることはありません。増えたように見えるのです

増えたように見える理由は、抜いた毛穴から生えてきた白髪がくせ毛になるため。くせ毛は直毛より白髪の方が目立つ傾向にあるそう。

活動期の髪は毛球が皮下3mm程の場所にありますが、無理に抜く事は毛根を傷つける形となり、その傷ついた毛根は変形します。
同じ毛穴から再度白髪が生えてくるので、その白髪はくせ毛になる可能性があるというメカニズムです。

白髪を抜くことで次に生えてきた白髪がうねり、くせ毛になると、そのせいで白髪が余計に目立ち増えたように感じるのですね。

白髪を抜くことで次に生えてきた白髪がうねり、くせ毛になると、そのせいで白髪が余計に目立ち増えたように感じるのですね。

白髪を抜いてはいけない理由

毛球へのダメージではげる(生えなくなる)

井上先生

1〜2回抜く事で、はげるということはありません。
ただ、回数を多く抜いていると毛球のダメージが多くなり生えて来なくなる事があります。

白髪の人ははげないという話もありますが、これは事実と関係ないそう。

抜く頻度が多い方は、今からでも抜かないようにした方が良さそうですね。
気になるのはわかりますが抜きたくなる気持ちを、ぐっと抑えるようにしてみてください。

次に生える白髪がくせ毛になる

井上先生

毛穴に傷をつける事がダメージになり、次に生えてくる白髪がくせ毛になる傾向にありさらに目立つようになるでしょう

毛穴にダメージを与えると、元がストレートな髪質でも、うねり白髪が発生する原因になり、黒髪の中でも目立つ存在になってしまいます。
加齢によって毛穴が歪んでしまうこともあるのですが、追い打ちのように毛穴に負担をかけないよう気をつけましょう。

白髪を抜くのは、今生えているその毛だけの問題ではありません。
同じ毛穴から、また新しい毛が生えてくるからです。
ですから、毛穴を健康的な状態に保つことは、髪質を継続的にケアするうえで必要不可欠と言えるでしょう。

いずれにせよ、髪や頭皮、毛穴へ与えるダメージを考えても「白髪を抜くこと」は得策とは言えなさそうです。

炎症によりかゆみや抜け毛も

井上先生

白髪を抜くダメージで炎症が発生すると、かゆみが起きる事があります。この炎症がかゆみと共に抜け毛につながる可能性があります

もともと敏感肌の方は特に注意です。
白髪がかゆいから抜くということもたまに聞きますが、白髪がかゆいのではなく白髪を抜くからかゆいのかもしれません。
炎症が広がると、頭皮の毛細血管がうっ血し、赤みが広がる可能性もあるため、頭皮の健康のためにも抜かないようにしたいですね。
さらに、白髪を抜くと楽しいのはストレスのサインかもしれません。悩みがあると白髪を抜いてしまうことも。白髪を抜くメリットはないので、他のことでストレスを解消していくといいですね。

白髪を見つけたときの正しい対処法

抜かないようにした方が良いことはわかりましたが、そのまま放置していても良い方向に進むとは考えづらいでしょう。
誰でも、鏡を見たときに憂鬱な気分になるのは嫌ですよね。見つけたときにはどのように対処したら良いのでしょうか。

 白髪を切る(カットする)

井上先生によると、抜かずに切ることがおすすめだそう。
白髪用に、眉などにも使える小さなハサミを用意しておくと便利でしょう。必要であれば白髪や枝毛専用のハサミも販売されています。
周りの黒髪を切らないように、鏡で確認しつつ抑えながら切ってみてください。

髪を染めてヘアカラーを楽しむ

井上先生

最近の傾向として、グレイヘアスタイルの広がりがあるように思われます。多様性を楽しむこともいかがでしょうか

最近では、ありのままの髪色を楽しむグレイヘアスタイルや、あえて白髪に近い色で全体を染めて周りと馴染ませるヘアスタイルも注目を集めています。
白髪染めというと真っ黒にするイメージが強いかもしれませんが、生え方に合わせてハイライトやグラデーションを入れたり、トーンアップさせたりするカラー手法を選ぶ人が増えています。

白髪が生えてきても過度に落ち込まずに、新しいスタイルを取り入れながらオシャレを楽しんでみましょう。
白髪染めから自分らしさを表現することもできますよ。

白髪を増やさないための予防法

これから白髪を増やさないようにするために何ができるでしょうか。
シャンプーのときの注意点もお聞きしました。すぐに実践できて、家でも簡単に行える方法ばかりなので生活のなかで取り入れてみてくださいね。

頭皮マッサージ

井上先生

白髪を増やさないためにできる対策は頭皮の血行改善です。
次に頭皮の皮脂汚れを丁寧に取り去り、炎症やかゆみを発生させないことです。

頭皮の血行が悪くなると髪に栄養や水分が行き渡らなくなり、メラニン色素が不足して白髪になってしまう可能性も。
頭皮を頭頂部に集めるようなマッサージを毎日3分程度行うのがおすすめです。
頭頂部に集めるように動かすことでリフトアップされ、頭と顔は同じ皮が繋がっているので小顔効果にも繋がるでしょう。

また、シャンプーのときに、指で刺激を与えすぎると炎症が起きてしまうので気をつけてください。
シャンプー時は頭皮や髪をゴシゴシこすらず、揉みだすように洗うことをおすすめします。
忙しい毎日のなかでは、バスタイムにそこまで時間がとれない人も多いかもしれません。
しかし、毛穴に詰まったシャンプーから雑菌が繁殖する恐れがあります。きちんと時間をとって頭皮の手入れをしましょう。

さらに、かゆみを発生させる原因として、頭皮の乾燥が原因になることがあります。
最近では頭皮用の化粧水なども販売されているので、保湿の際に使用してみてはいかがでしょうか。

リラックスしながら、毎日のルーティンのなかで頭皮のことを意識してみてくださいね。

白髪にまつわる噂?!

白髪については様々な噂がされています。
聞いた印象ではどれも真実のように聞こえますが、実際はどうなのでしょうか。
もしかしたら、今まで信じて行ってきたルーティンが実はあまり意味がないものだったなんてこともあるかもしれません。
最後に、巷の噂について井上先生に聞いてみました。

若白髪の人ははげない?

井上先生

この噂には根拠がないと考えます。白髪になる原因と薄毛になる原因には関係があり、その1つに血行不良があります

若白髪の原因のひとつに、悪性貧血による血行不良が考えられます。
その場合は、対策として医療措置による根本的な治療が必要かもしれません。

白髪は伸びるのが早い?

井上先生

白髪の伸びる早さは、黒髪とほとんど変わりません。

髪の毛は本来白く、色素を含んでいないのですが、遺伝や紫外線の多い地域ではメラニン色素が含まれて黒くなります。
メラニン色素は、髪にとって不純物のようなもの。
メラニン色素のない白髪の方が、黒髪よりも強度が高く張りがあり目立つため、成長を早く感じるのかもしれません。

この記事では、白髪を抜くのがだめな理由と対処法を解説しました。
ただしい情報を身に着けると少し安心ですね、白髪と自分らしく向き合っていきましょう。

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【出典】GBALLGIGGSPHOTO、Julia Cherk、tkyszk、Milan Ilic Photographer、kei907 / Shutterstock

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