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くせ毛の原因と対処法を解説!くせ毛を活かすヘアスタイルも

くせ毛の原因と対処法を解説!くせ毛を活かすヘアスタイルも

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朝、とりわけ雨の日には頭を悩ませるくせ毛。物心ついたときからくせ毛に悩んできた、あるいは歳を重ねてくせが強くなってきた、という方もいるのではないでしょうか?
どんな理由でくせ毛になるのか、少しでもセットを楽にするためにはどんなケアが必要なのか、今回はヘアスペシャリスト・今井健仁さんにお話を伺いました。

ヘアスペシャリスト

今井 健仁さん

総合研究所 研究員/博士(医学)

目次

せ毛とは?

そもそもくせ毛はどのような経緯で起きるのでしょうか? まずはくせ毛のメカニズムについて聞いてみました。

くせ毛のメカニズム

髪は表面から「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層構造となっています。

くせ毛に影響するのは2層目のコルテックス。

毛髪はコルテックスの周りをキューティクルが覆っている構造ですが、8割以上はコルテックスが占めています。コルテックスはタンパク質でできており、髪の毛の弾力などを生み出している部分になります。

そしてこのコルテックスには、水分を通しやすい「オルト様コルテックス」と、水分を少し通しにくい「パラ様コルテックス」の2種類があることが分かっています。

今井さん

くせ毛とは、「オルト様コルテックス」と「パラ様コルテックス」の2種類のコルテックスの分布の偏りによって髪に歪みが出てうねった状態のことです。

くせ毛の種類と特徴

左側3つの毛束:波状毛
右側2つの毛束:縮毛

くせ毛の種類は人種によって大きく違い、日本人を含むアジア人は直毛かうねりで波打つ「波状毛」と呼ばれるタイプ、およびその中間のタイプが多く見られます。

「波状毛」はS字のように波打っており、湿度が高い夏場や雨の日は2種類のコルテックスの配置により膨張率に差が出ることがあり、くせが目立って感じるようになることがあると考えられています。

今井さん

日本人に多い波状毛は膨らみやすく、広がりやすいのが特徴ですね。細かくクルクルした毛髪というよりは、カールの半径が緩いくせ毛の人が多く見受けられます。

人種によっては、「縮毛」と呼ばれるカール度の強い毛髪もあります。

くせ毛の原因

くせ毛は先天性というイメージが強いものの、実際はどうなのでしょうか。急に髪質が変わるということもあるのでしょうか?

先天的原因

くせ毛は基本的には先天性、つまり遺伝によるとも言われています。

今井さん

2種類のコルテックスの配置は先天的に、つまり髪の毛が作られるときに決まると考えられています。また、直毛の横断面は丸いと思われがちですが、今まで見てきた髪の毛で真円のものはとても少なく、ほとんどの髪の毛はだ円です。そのなかでも、くせが強い髪の毛ほど扁平なだ円になる傾向があります。

後天的原因

一方で、ブリーチやヘアカラー、パーマを繰り返して髪がダメージを受けることで、もともと持っているくせが強くなることも。

今井さん

オルト様コルテックスの方がブリーチやヘアカラー、パーマのダメージを受けやすいことが分かっています。このため、不均一にオルト様コルテックスとパラ様コルテックスが分布している場合、ダメージも不均一に受けることになり、結果、くせがより強くなってしまう傾向があります。

また、体調の変化、加齢、出産などによっても髪質の変化とともにくせの度合いが変わることもありますが、この原因についてはあまり分かっていないようです。

くせ毛の対処法

くせ毛を変えるのはなかなか難しそうですが、くせの強さを多少おさえたり、扱いやすくしたりする方法はあるのでしょうか。

ドライヤーのブローで整える

今井さん

髪の毛は濡らしてから乾くときに一定の形がつくので、やさしく髪の毛を真っ直ぐに整えながら乾かしましょう。

乾かすときはダメージを与えないように、低めの温度で乾かしましょう。髪の毛には神経がないので熱さは感じませんが、頭皮や手が熱いと感じない程度の温度で乾かすことが重要です

また、水分を含んでいる状態の髪の毛は、乾燥している状態よりダメージを受けやすいので、濡れているときに無理やりコーミングするなど過度な力を与えないように、目の粗いブラシや手ぐしでやさしく髪の毛を真っ直ぐにしながら乾かしましょう。

洗い流さないトリートメントを使う

今井さん

前述したように、くせが強くなる要因としてダメージの影響が挙げられます。そのため、ダメージを補修してくれるヘアケアアイテムを使うのがおすすめです。

ブリーチやヘアカラー、パーマなどを行った後の1週間は普段のシャンプーやトリートメントに、ダメージケア効果のある洗い流さないトリートメントをプラスすることでダメージケアを行うのがおすすめ

ビューティラボ 美容液シリーズはダメージ&カラーケアができる洗い流さないタイプの美容液です。髪の毛のダメージの状態や質感・太さ・量に合わせて、補修ミルク(3タイプ)・補修オイル(2タイプ)の中から選ぶことができます。

ビューティラボ 美容液シリーズ ダメージケア&カラーケア 2つのアプローチでなめらかな美髪へ

トリートメント・ヘアマスクは時間をおく

お風呂で使うインナーバストリートメントやヘアマスクの成分には水溶性のものが多いため、水で洗い流すときに成分が落ちやすい性質があります。

そのため、少し時間をおいて髪の毛の中に成分を浸透させてから洗い流すとダメージヘアへの効果は出やすくなります。

今井さん

トリートメントやヘアマスクを塗布するときは髪の毛を無理に引っ張ったり、強く揉み込んだりするのは避けてくださいね。髪の毛はかなり弱い状態になっています。

サロンで縮毛矯正をする

くせが強い場合は、効果が持続しやすい縮毛矯正をする方も多いと思います。縮毛矯正はくせ毛を真っ直ぐした形状に整える施術。持続性が高く、かけた部分は半永久的に直毛の状態になります。

ただし、新しく伸びてくる髪の毛には効果がないため、定期的に縮毛矯正をかける必要があります。

縮毛矯正はくせ毛の対処方法の一つではありますが、髪の毛へのダメージが比較的大きな施術になりますので、その後のダメージケアはしっかり行いましょう

また、短い間隔でヘアカラーと縮毛矯正を行うのはダメージを大きくするので避けた方が良いでしょう。

今井さん

ヘアカラーと縮毛矯正は少なくとも1週間ぐらいはあけた方が良いですね。

縮毛矯正の効果を重視したい場合は、先にヘアカラー、その後に縮毛矯正を行うと良いですが、ヘアカラーの色落ちや変色が大きくなる可能性があります。

縮毛矯正の効果よりもヘアカラーの色を重視する場合は、先に縮毛矯正、その後にヘアカラーを行いましょう。

施術前の髪の毛のダメージ状態も影響してきますので、美容師さんとも相談して決めるとよいです。

くせ毛×ヘアカラーのおしゃれなヘアスタイル

ここからは美容師の堀江昌樹さんに、くせ毛を活かしたヘアスタイルをご紹介いただきました。

アッシュカラー×くせ毛風パーマ

頭の上の方は中間巻き、下は平巻きのミックスパーマに仕上げて、くせ毛を活かしたラフな印象に。髪は軽くしすぎると立体感が無くなってしまうので、丁寧に毛量調整することがポイント。

堀江さん

地毛っぽい暗めカラーに合わせるのがおすすめ! 明るめカラーなら、ヘアオイルをプラスしてツヤ感を出しましょう。

インナーカラー×くせ毛を活かしたネオウルフ

髪と髪の間に空間をつくるようにカットすることで、くせ毛が活き、パーマをかけたような質感に。スタイリングの際はヘアオイルのあとバームを馴染ませると、うまくまとまります。

堀江さん

ベージュカラーにアクセントとしてハイライトを添えるとコントラストが出ておしゃれな印象! オレンジ系を合わせるのもおすすめです。

カーキカラー×マッシュショート

くせ毛を活かして毛先に動きをつけたマッシュショートはいかがでしょうか。クールなマッシュショートでも、くせ毛を活かすことによって柔らかい雰囲気に仕上がります。

堀江さん

カーキ系やアッシュ系など、赤みのない色味がヘアスタイルとのバランスにいいですよ。弱めのくせ毛がある方にチャレンジしやすい髪型です。

今回、「くせ毛への対処は髪の毛へのダメージを和らげることが一番重要」と、今井研究員に教えてもらいました。乾燥や紫外線など日常生活を送る上で避けきれないダメージもありますが、なるべくそのダメージにうまく対応していきたいですね。

ヘアケア用品をうまく取り入れながら、ドライヤーやシャンプーのときなどは、摩擦を避けたケアを心がけたいものです。

ヘアカラーリング をもっと見たい方はこちら

【出典】Fast&Slow、kogome、buritora / PIXTA(ピクスタ)

【画像】堀江昌樹

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