この数年、Z世代の間でヘアカラーをハイトーンにする女性が急増中。メイク感覚でファッショナブルなカラーを楽しむ姿は、大人の私たちも真似したくなってしまうもの。
とはいえ、白髪の目立ち始める30代、40代は、ハイトーンはちょっとハードルが高いかも……なんて思っていませんか? 実はその認識は大きな間違い。最近では若年層だけでなく、30代、40代の大人世代にもハイトーンカラーを選ぶ女性が増えているのです。ブリーチして髪も明るく気分を変えたい女性や、在宅が増え明るい髪色に挑戦しやすくなっている状況があるようです。
そこで今回は、大人女性が実践すべきブリーチ有りで叶えるハイトーンカラーを、ヘアカラーに詳しい美容師を招いてご紹介します。
そもそも、ハイトーンって何色?

まずはハイトーンについて簡単にご説明しましょう。ハイトーンとは明るい髪色の総称。トーンは髪色の明暗を示す単位で、トーン数値が高いほど明るい色を意味します。

より具体的な数値で表すなら、サロンカラーで14以上のトーンオーダーはハイトーンに該当します
ただし、その人の肌色や髪質、元の髪色により、明るくなりやすい、なりづらいがあるので、あくまで目安と捉えるのがベストでしょう。
ハイトーンが似合うのはどんな人?
そして肝心なのは、ハイトーンが似合う人の条件です。結論から言うと、ハイトーンは肌の色は明るく、さらに青白い方が一般的には似合うと言われています。これは『明度対比』と呼ばれる現象で、明度の高い色と低い色を同時に見ると、明度の高い色の方が明るく見えます。
また、髪色には瞳の色も大きく関わってきます。目の色は黒よりも茶色、色素が薄いほど、ハイトーンが似合うと言われています。

現在のヘアカラー薬剤には多彩な色が揃えられており、メイク次第で肌色を調整することもできます
つまり、どんな肌色や瞳の色でも、ハイトーンカラーを楽しむことは可能なのです。
ブリーチする?ブリーチしない?
ブリーチするメリットとは?
・明るめのカラーが楽しめる
通常の白髪染めは暗くなりがちですが、ブリーチすることで明るい色を楽しめます
・カラーの幅が広がる
ブリーチなしでは表現しにくい微妙な色合いのカラーや、透明感を出したり、外国人風の髪色も表現できます。
ブリーチするデメリットとは?
・髪へのダメージが不安
心配が大きいのが、髪へのダメージではないでしょうか。ブリーチした髪にはアフターケアが大切です。髪が濡れたまま長時間放置しないなどホームケアにも気を付けたいですね。
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インナーカラーやハイライトで入れる量を調節し、ブリーチによるダメージを最小限に抑えではいかがでしょうか。
アラフォー世代に似合うハイトーンを知りたい!

では、30代後半〜40代女性がハイトーンをする場合、どのようなデザインを選べばよいでしょう。
1:初心者のハイトーンはハイライトやインナーカラーから
これまで暗髪で通してきた人の場合、いきなりのハイトーンには少し抵抗があるかもしれません。。そんな人には部分的にハイトーンを取り入れられるハイライトやインナーカラーがおすすめです。

まずはハイライトやインナーカラーでハイトーン体験をするのが良いでしょう。ハイライトはなるべく細かく作れば、色落ちしてもさほど目立つ心配もありません
同時に髪に立体感を出すことができるため、ペタンコ髪も同時に解消できます。
2:初期の白髪は明るめのハイトーンに。それ以降はやや落ち着きのあるハイトーンを
ハイトーンの場合、一番気になるのが「白髪はカバーできるのか」問題。

ハイトーンにすると、白髪を生かすことにも繋がります
これは先ほど説明した『明度対比』と同じ理屈。ブリーチを使ったハイトーンにすれば地毛がグンと明るくなるため、白髪ぼかしをすることができます。ただしこの場合、白髪率が30%未満の人や、白髪が全体にまばらに入っている人が対象になります。

白髪の割合が増えてしまうと、白髪ぼかしは通用しません。ベースカラーは落ち着いたハイトーンが良いでしょう
3:全体のハイトーンは11トーンのベージュ系
また、30代、40代の大人女性の場合、髪のパサつきやダメージが気になるところ。

べージュ系のカラーを選べば、ハイトーンでも柔らかい印象を与えます

グレイカラーの11トーンであれば髪のツヤをキープさせることができます。褪色も緩やかなので色もちが良く、長時間楽しむこともできます
4:よりファッション性を高めるならバイオレット!
ハイトーンカラーをもっとファッショナブルに楽しみたい。そんな女性には、インナーカラーやハイライトを使ったデザインがおすすめ。

茶系に寄せると下品になってしまうので、髪色を白までブリーチさせてから寒色系の色をかぶせるのがベスト。中でも濃い紫がイチオシ。スタイリッシュな印象なので大人女性にもハマりやすく、肌色をきれいに見せる効果もあります
これらの条件を参考にすれば、大人女子でも痛くないハイトーンカラーが楽しめます!
30代&40代におすすめのブリーチ有りのハイトーンカラー4選
ここからは大人女性にぴったり、ブリーチ有りのハイトーンカラーを、実例を交えてご紹介。ハイトーン初心者さんや、白髪や顔色対策など大人ならではの髪悩みを改善させたい方も必見です。
白髪をなじませる寒色系ハイライト&インナーカラー

初心者でも挑戦しやすいハイトーンカラー。ベースカラーが落ち着いているので、シンプルファッションとの相互性もバッチリ。
BEFORE

AFTER

ブリーチを使用してインナーにグラデーションを入れます。さらに前髪と表面に5mmチップのハイライトを。その後、6トーンのアッシュで全体を染めてシックに仕上げました

落ち着いた印象のローレイヤーロング。なだらかな後ろ下がりのシルエットにチョップカットで軽やかさをプラス。厚めの前髪で小顔効果を与えました。スタイリングは45mmのアイロンで波ウェーブを作り、仕上げにナイン マルチスタイリングオイル ライトでハーフウェットに

軟毛の方、スタイリングが苦手な方にも使いやすい。ヘルシーなウェット感とより細かな束感を表現できます。
白髪をぼかすハイライト

少し白髪が増えてきたと感じた人におすすめしたいハイトーンカラー。やや明るめのブラウンカラーで若見え効果も。
BEFORE

AFTER

表面は3mmの細かいウィービング、アンダーは10mmの太めハイライトを。その上から11トーンのグレージュをかぶせてカジュアル感のあるデザインカラーに

ふわふわのくせ毛を生かしたAラインのミディスタイル。毛先は平行にカットして重さを残しました。32mmのアイロンで毛先を外ハネさせて、仕上げにナイン マルチスタイリングオイル ライトを
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白髪をなじませるインナーカラー

さり気なくファッション性を感じさせるハイトーンにするなら、インナーカラーにバイオレットを忍ばせて。
BEFORE

AFTER

こめかみから毛先にブリーチでハイライトを。さらにバイオレットを採用して、毛先に向かって明るくなるグラデーションカラーで華やかな雰囲気に。カットデザインは全てブラントで仕上げた姫スタイル。前髪に透け感を与えて軽さをプラス。スタイリングはストレートアイロンを使い、表面のレイヤー部分のみ毛先にカーブをつけて。仕上げのオイルにはナイン マルチスタイリングオイル ライトを使います
大胆な発色で楽しむオールハイトーン

ヘアカラーをもっと楽しみたい! という方はオールハイトーンを。全体をしっかりブリーチしてからカラーをオン。くすませカラーをチョイスすることで、ポップな色でも大人な雰囲気に。同時に白髪カバーも!
BEFORE

AFTER

カラーは全体をブリーチ後、グレーを混ぜたピンク系カラーで全体染め。発色の良い色をくすませることで、落ち着いた印象を与えました。カットは前髪を眉上に設定したエッジの効いたボブスタイル。表面にはレイヤーなどを一切入れず、重さの気になる部分は間引いてシルエット調整。全体の広がりを抑えるために、ナイン マルチスタイリングオイル ライトを使ってスタイリング
ブリーチした髪にはアフターケアが重要!
ハイトーンカラーを長持ちさせるためには、ホームケアに力を入れることも必要不可欠。

カラーした直後は、できれば自宅でのシャンプーは避けて。髪内部にしっかり色が留まらず、流出してしまいます
初日のシャンプーを避けたら、翌日からのケアは入念に。

カラー用のシャンプー&コンディショナーを使い、アウトバストリートメントをしっかりつけるのがベスト。また、ハイブリーチ毛にはカラーシャンプーを併用すると、より長持ちさせることができます

カラーシャンプー=ムラサキシャンプーとお考えの方が多いかもしれませんが、染めたカラーに合わせて、カラーシャンプーを選ぶのがおすすめです。

サロンカラー後は、いつものシャンプーをカラーシャンプーに
また、シャンプーの際にはいくつか注意点も。

シャンプーはゴシゴシ洗いをしない、トリーメントはしっかり揉み込んでから洗い流す、濡れた髪のコーミングは避ける。この3つを注意するだけで、同じ製品を使っていても仕上がりが全然変わってきます
正しい製品選びと使い方で、自慢のヘアカラーを長持ちさせましょう。

カラーによる髪の水分保持力を補修 潤いあるまとまった髪へ

サロンワークをはじめ一般誌、業界誌、企業広告、ヘアショーなど幅広く活躍。また、カラーセミナーに定評があり、これまでの受講者数は10万人を超える人気ぶり。

ファッション誌や業界誌のヘアメイクで活躍中。アレンジやセット、パーマなどのセミナーを年間多数行う実力者。

都内2店舗のスタイリストを経て、utuwaのオープニングスタッフに加入。ナチュラルなデザインから個性的なデザインまで、幅広いジャンルのスタイルを得意とする熟練スタイリスト。
【出典】Kamil Macniak、charnsitr / Shutterstock